•  マッキー

4. グリップのこと

[7~8年前だろうか、アメリカのFLY FISHERMAN誌に、エルゴノミクス グリツプの紹介記事が載っていた。この、Ergonomics(人間工学)をインターネットで調べてみると、その定義は、ひとつのジャンルで表現することは難しいようで、フライロッドのグリップ=道具でいえば、人間にとって使いやすいものになるよう設計したり、改良したりする科学ということになるようです。

 この人間工学にもとずいてデザインされたグリップは、写真で見るかぎり手の形フィットするように不定形な凹凸があるのですが、どう見ても美しいデサインとはいえません。

単純に握るだけならばこれでよいのでしょうが、フライロッドのグリップでは、ず-っとひとつの握り方で通すわけではないのだから、この凹凸がかえって使いにくくしているようにおもえます。フライフィッシングに詳しい人がデザインしたとはおもえません。その後、マーケットにも出てこないのだから、試作品で終わってるのかもしれませんが。

 そもそも、フライロッドのグリップは、しっかりと強く握るものではないんです。フォワードからバック、そしてシュートまで、それぞれのアクセントでは強く握りますがそのほかは軽く握っているのです。ストロークのあいだしっかりと握っていたら、手から肘そして肩と、力が入っちゃってスムーズなキャスティングができず、ラインをコントロールすることができません。キャスティングを見てると人それぞれ、握り方も違うし指も微妙に変化しています。ですから人間工学だといっても、グリップのほうから使い手に対して握り方をきっちりと決めても意味がないわけです。野球、ゴルフ、テニスなどにしてもインパクトのときだけボールにまけないようにしっかりとグリップするのであって、そのために、握りの部分は滑らないようにしたり、エッジをたてたりしていますが決してグリップのほうから、握り方を決めてはいません。指の形を意識してグリップに、凹凸をつけたことのある人は多いでしょうが必ずしも使いよくなってないはずです。

 これまでにもグリップの形をいくつも試作してますが、いいグリップができません。フライロッドの場合、ゴテゴテしないでスッキリしたデザインがいいようです。結果、使っているのは昔からある形の、バリエーショになってしまいます。それでも全体のバランスやアールのつけ方、張りの大きさなどによって印象は変わってきます。その試行錯誤のなかで気がついたことをいくつか…。 

●素材はコルクが一番、木ゴム皮など試しましたが、魚のヌメとか風合いその他考えると、コルクにはかないません。

●外国のグリップは、日本人の手には、太く長すぎます。とくに4番前後のロッドは、小指と薬指の当たるところの直径を22ミリ前後に細くすると握りやすくなります。極端に言うと軽い番手のロッドはこの2本で握り、後は添えてるようなものです。

●重いロッド、長いロッド、バットの柔らかいロッドのグリップをゆるいテーパーで先細りにすると持ち重りします。とくにフォワードキャストのときに感じます。

●フルウエルタイプは、一般的に高番手用とされてるから太めですが、それでも太すぎます。さらに、横から見るとシンメトリーなものがおおいのですが、握っててしっくりしません。まんなかの山をすこし前にずらして、さらに後ろのへこみを前のへこみより細くするとしっくりします。

●軽い番手のロッドはシガータイプが多いですが、このフルウエルを細身にシャープにリデザインするとちょっとクラシックな雰囲気がいい感じです。

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